相続人の寄与分
共同相続人が、被相続人の事業への労務提供、財産上の給付、療養看護などにより財産の維持・増加に特別に貢献した場合、寄与分が問題になります。親族として通常期待される協力の範囲を超えるか、その貢献が財産にどう影響したかを確認します。
介護の期間、頻度、内容、報酬の有無、外部サービスの利用状況などを整理します。同居していた、通院に付き添ったという事実だけで必ず認められるわけではありません。介護記録、領収書、診療や介護サービスの記録などが役立ちます。
相続人でない親族の特別寄与料
相続人ではない被相続人の親族が、無償の療養看護その他の労務により財産の維持・増加に特別の寄与をした場合、相続人に金銭を求める特別寄与料の制度があります。ただし相続放棄をした人、相続欠格・廃除で相続権を失った人は対象から除かれます。相続人の寄与分とは当事者・要件・請求方法が異なります。
合意ができない場合の家庭裁判所への請求は、相続開始と相続人を知った時から6か月を経過する前、かつ相続開始から1年を経過する前に行う必要があります。2019年7月1日以降に開始した相続が対象です。介護をした親族の立場と、いつ何を知ったかを確認します。
寄与の金額と分割の進め方
生活費や報酬を受け取っていた場合など、その対価との関係も検討します。介護時間に単価を掛ければその全額が当然に寄与分になるわけではありません。貢献の程度、遺産額、他の相続人の事情などを踏まえて評価します。
寄与分には相続開始から10年経過後の遺産分割のルールが関係しますが、特別寄与料の短い期間と混同しないでください。寄与分は遺産分割と関連づけて話し合い、まとまらない場合は家庭裁判所の手続きを検討します。
相談前に整理すると役立つ資料
- 被相続人・相続人の戸籍、家族関係と死亡日のメモ
- 遺言書、保管や公証に関する資料
- 預金・証券・保険・不動産・借金の一覧と資料
- 贈与、介護、協議・調停、登記の経緯が分かる資料
経緯、希望する解決、相手方の主張を日付順にまとめると、争点を整理しやすくなります。資料がすべてそろう前でもご相談ください。裁判所や契約上の期限がある場合は、その書類と日付を先にお知らせください。
よくあるご質問
相続人の配偶者が介護した場合、寄与分を請求できますか。
その人自身が相続人でなければ、寄与分とは別に特別寄与料の要件を検討します。親族関係、無償の労務、財産への効果と短い期間制限を確認します。
同居していれば寄与分が認められますか。
同居だけでは決まりません。具体的な貢献と、遺産の維持・増加に与えた効果を資料で確認します。
資料が全部そろっていなくても相談できますか。
お手元の資料と経緯から、不足する情報と次の対応を整理します。期限が迫る書類がある場合は、その日付を先にお知らせください。
話し合い中なら請求期限は止まりますか。
話し合いだけで当然に止まるわけではありません。請求の種類、起算点、時効の猶予・更新等の要件を確認します。
根拠法令・公的資料
法令・制度の確認日:2026年10月11日。契約・相続・事故・訴訟の時期や経過措置、具体的な事情により適用が異なります。