記載を検討するための構成例
遺言書では、作成日、遺言者、承継する財産と受取人、残余財産、遺言執行者などを整理します。「自宅は配偶者へ、残りは子へ」といった日常の表現だけでは、対象や割合が曖昧になることがあります。
例えば、最初に特定の不動産の取得者を定め、次に金融資産の配分を定め、最後に記載していない財産の取得者を定める構成が考えられます。実際の条項は、登記表示、名義、持分、家族関係、負債を確認して作成します。
財産目録と形式上の注意
自筆証書遺言の本文は原則自書が必要です。財産目録はパソコン作成や資料の添付を利用できますが、自書しない目録の各ページに署名・押印が必要です。例文を印刷し署名だけした本文では自筆証書の方式を満たしません。
作成日を明確にし、氏名の自書と押印を行います。修正、複数ページ、受取人の先死亡なども確認が必要です。このページは完成済みの個人用遺言書を提供するものではなく、記載事項を整理するための解説です。
例文だけでは決まらない事項
相続人以外への遺贈、遺留分への対応、財産の評価、執行者の指定、税務上の取扱いなどは個別の検討が必要です。特定の人へ集中して承継させる場合は、他の相続人から金銭請求が生じる可能性と資金を確認します。
公正証書を選ぶ場合も、公証人への希望の説明と財産・戸籍資料の準備が必要です。例文の文言を選ぶ前に、ご希望の優先順位と、作成後に財産が変わる可能性を整理しましょう。
相談前に整理すると役立つ資料
- 被相続人・相続人の戸籍、家族関係と死亡日のメモ
- 遺言書、保管や公証に関する資料
- 預金・証券・保険・不動産・借金の一覧と資料
- 贈与、介護、協議・調停、登記の経緯が分かる資料
経緯、希望する解決、相手方の主張を日付順にまとめると、争点を整理しやすくなります。資料がすべてそろう前でもご相談ください。裁判所や契約上の期限がある場合は、その書類と日付を先にお知らせください。
よくあるご質問
例文を印刷して署名すれば自筆証書遺言になりますか。
本文は原則として自書が必要です。財産目録の自書を省略できる制度と混同しないでください。
この構成なら誰でも同じ条項でよいですか。
家族関係、財産、負債、遺留分等により適切な内容は異なります。実際の資料を確認して作成します。
資料が全部そろっていなくても相談できますか。
お手元の資料と経緯から、不足する情報と次の対応を整理します。期限が迫る書類がある場合は、その日付を先にお知らせください。
話し合い中なら請求期限は止まりますか。
話し合いだけで当然に止まるわけではありません。請求の種類、起算点、時効の猶予・更新等の要件を確認します。
根拠法令・公的資料
法令・制度の確認日:2026年10月11日。契約・相続・事故・訴訟の時期や経過措置、具体的な事情により適用が異なります。